鳥山石燕『図画百鬼夜行』より
河童と並び、メジャーな妖怪として知られているのが「天狗」です。
「天狗」といえば、赤い顔に高い鼻、高下駄に手には羽うちわ、という姿を思い浮かべるのではないでしょうか。「天狗」は山に住んでいたので、山で修行をする修験者や山伏の姿がかさなったのかもしれませんね。
天狗にまつわる不思議な話はたくさん残っています。
例えば、夜中、山の中で木の倒れる音がして、様子を見に行くと何もおきていないことを『天狗倒し』と呼びます。ほかにも誰どこからともなく小石が飛んでくることを『天狗つぶて』、山にたくさんの日がとびかうものを『天狗火』などといいます。
また、天狗が座った『天狗松』や『天狗杉』、『天狗岩』といった名前も残っています。山で不思議なことが起こると、天狗の仕業だと思われていたのですね。