
鳥山石燕『図画百鬼夜行』より
「おとろし」は、人に忘れ去られたようなひっそりとした神社などにすみつくおどろおどろしい妖怪です。いたずらするものなどがいると、上からどさっと落ちてきて脅かします。
毛むくじゃらで顔と手だけの妖怪で、まるで鬼のような赤い顔をしているそうです。
住む人のいなくなった家の土塀から落ちてきて脅すこともあるようですから、夜遅い帰り道古い家の前を通るときにはご用心。
田舎を旅していると、ごく稀に人の寄り付かなくなった廃神社に遭遇することがあります。もしかすると、おとろしは今もこんな場所を探して住み渡っているのかもしれませんね。