昔から日本の家屋は、建物の内側と外側の境があいまいにして、自然と共生して生活してきました。外との境目は、戸や障子、襖、窓などの建具が設けられました。

日本建築

寝殿造りの戸

平安時代(794〜1185)まで時代をさかのぼってみると、このころ誕生した寝殿造では、蔀戸(しとみど)と呼ばれる板戸が出入り口に設けられていました。蔀戸は板の両面に格子を組んだ戸のことで、風雨を妨げる役割をしました。上下2枚にわかれているものがおおく、開けるときは、上に跳ね上げるようにして開けて使いました。(写真は二段に分かれていないもの)

建具

その後、開け閉めをするために軽量化された引き違いの板戸が使われるようになります。

細い桟を等間隔で並べて取り付けた板戸を、特に舞良戸(まいらど)と呼びました。これは、鎌倉時代以降武士の住まいでみられる書院造りの建具としてよく使用されたようです。

ここまでみてみると、室外との境目は、壁面を除いて、蔀戸や舞良戸という板戸が主体だったため、光は入りませんでした。

光を取るために戸を開けると雨風が吹き込み、不便な部分もあったことでしょう。

 


建具障子からの柔らかな光

障子は扉や窓に用いる建具のひとつで、光を通すものをとくに「明り(あかり)障子」と呼びます。

障子から差し込むひかりは曇りガラスを通したかのような柔らかな光で、日本建築の魅力のひとつなのではないでしょうか。


日本建築 襖繊細な装飾が美しい襖(ふすま)

襖はもともと襖障子ともよばれました。間仕切り用の両面に紙や布を貼った木枠の建具です。

建具

建具建具また襖をご覧になるときには、開け閉めをする部分の金具にもぜひ注目してみてくださいね。これは引き手とよばれます。


日本建築 襖

 建物のうちと外をゆるりと繋いでいた日本の建具

外の風が冷たい時にはさぞかし寒かったと思います。そんなときには、皆で囲炉裏の前に集まり暖をとっていたのかもしれません。現在の家屋から考えれば不便なことかもしれません。しかし、外とのつながりを感じられ、自然の風や光を肌で感じることのできる家屋に住んでいた昔の人々は今よりもずっと 季節を感じたり、繊細な感覚をもっていたのではないでしょうか。

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