日本庭園日本庭園の魅力

日本庭園は、水、石、植物による自然を美しくあらわしたものです。

西洋式の庭園に多い左右対象のデザインに対して、日本庭園では、平面、立体どちらからみてもに、不等辺三角形になるようにつくられているといわれています。

たとえば、生け花では、花を生ける時には、最も高い位置が『天』、最も低い位置を『地』、その中間の位置を『人』とするといわれます。この三角形の中に「宇宙」があると考えられているそうです。

その三点でつくられる三角形は、「二等辺三角形」や「正三角形」などのバランスの良い形では、自然の伸びやかさを引き出すことはできないのだそうです。そこで、生け花ではアンバランスな「不等辺三角形」を基準にしたと言われているようです。

日本庭園背の低いものを手前に、奥に背の高いものをおくことで、奥行感やアンバランスの美しさをつくり出したんですね。

日本庭園がいったいどんなものなのか、私たち日本人でも学ぶ機会は少ないのではないでしょうか。

このサイトが日本庭園を楽しむひとつのきっかけとなれば嬉しいです。

日本庭園

日本庭園の様式

日本庭園は、6世紀の中頃に仏教とともに日本に伝わったとされています。

日本庭園は、見方によっていろいろな分類ができるのですが、ひとつの分類法としては「池泉(ちせん)庭園」、「枯山水(かれさんすい)」、「露地(ろじ)」の3種類に分類することができます。今回はその分け方で、それぞれどのようなものか簡単にみてみましょう。

日本庭園『池泉庭園』とは、水を使う庭園です。飛鳥時代(592〜710年)に多く作られたと言われています。

水の使い方にもいくつかありますが、池に水をはるスタイルが多いようです。

日本建築についての記事でも書きましたが、平安時代(794年〜1192年頃)の寝殿造の庭には池を楽しむものが多くありました。

日本庭園寝殿造の庭園の池は、庭のほぼ中央にあり、そこには中島がつくられました。北側から廊下の下を横切るように遣水(やりみず)と呼ばれる水路がひかれ、東岸から西岸に流れ出るようにつくられていました。

遣水には、手で水をさわりながら楽しむために低い石橋がかけられることもありました。

曲水の宴(きょくすいのえん)という宮中の行事もこの遣水を利用したものです。水のふちに座り、杯をながし、前を通り過ぎるまでに詩を次々と読んでいくという宮中の遊びです。池は庭の中心的な存在であったといわれます。

日本庭園次に『枯山水』ですが、水を用いず白砂や石をメインに作ったスタイルです。

水面を表現するために、砂の上に「うねり」を作り、これを砂紋(さもん)と呼びます。

日本庭園

枯山水は、散策などの実用的な要素ではなく、屋内から静かにこれをながめ鑑賞するように作られたといわれます。

静まり返ったその庭の中に、世界観や宇宙観を表現し、 自然と向き合い、自らの存在と一体化することで、無の境地を学ぶということなのですね。

茶室 露地

『露地』とは、茶室に付属して造られる庭園です。露地については「露地(茶庭)」の記事に詳しく書きましたのでそちらをご覧くださいね。

日本庭園

日本庭園の構成要素とは

また、日本庭園をかたちづくる要素もみどころのひとつです。

庭園をつくる三つの要素、「水」、「石組(いわぐみ)」、「植栽」の視点からみてみましょう。

日本庭園

日本庭園の構成要素:水

「水」は日本庭園を構成する要素として非常に重要です。

先ほどは池について書きましたが、「滝」も非常に重要な要素とされています。庭園に滝を持ち込んだのは日本庭園の特徴的なものともいわれいるのです。

滝にも様々な水の落とし方があります。たとえば、高い所から一筋におとすもの、三段階で流れ落ちてくるものなどがあります。三段階で落ちてくる滝は、龍門瀑(りゅうもんばく)と呼ばれます。

また、「登竜門(とうりゅうもん)」という言葉をきいたことがあるでしょうか。

立身出世のための関門を突破する故事にもなっているものです。

その激しい流れの中で、ほとんどの魚が登れない、そんな滝を登ることができた特別な「鯉」が「龍」になる、というお話です。この鯉が登ったとされる滝が、龍門瀑です。

また、枯山水の様式では、水を使わず石を滝にみたてたりする表現方法もあります。

日本庭園

池を海のようにみたてて、岩を配置したものや、玉石を曲線をつけて敷き詰めて浜辺の海岸の情景をつくりだしたものもあります。

それぞれ、荒磯(あらそ)、州浜(すはま)と呼ばれます。州浜の先端に建てられた灯篭は特に岬灯篭とよびます。

日本庭園

日本庭園

橋も重要な役割をもち、木造で水平にたてられた平橋、曲面をつけた反橋(そりばし)、石橋などがあり、演出にかかせないものとなっています。

日本庭園

日本庭園

 日本庭園

日本庭園の構成要素:石

次にふたつめの要素である『石』の使い方をみてみましょう。

天然の岩や石を加工せず庭に配しているものを「庭石」とよびます。竜安寺(京都)には一面を白砂でおおい、15個の石だけでかたちづくった庭もあるほど、石は日本庭園でとても重要な要素のひとつです。

二つ以上の庭石を組み合わせたものを「石組」(いしぐみ。いわぐみともいいます)と呼びます。

日本庭園

石組のなかで、「山」を表現する石組には、仏教思想で世界の中心とされる須弥山(しゅみせん)や、自然のなかで修行するための座石である坐禅石、また道教の神仙思想による蓬莱山(ほうらいさん)などがあります。

日本庭園

また、三尊石組といって仏教の三尊仏を表し三つの立石で構成したものがあります。

仏像の三尊仏のように中心線よりやや左側に背の高い主石を、左右に主石より低い石を配置したようです

ここには写真がないのですが、また撮影ができましたら掲載しますね。

庭をみるとき、石の並び方をながめ、それぞれがどんな意味があるのか尋ねてみるのもいいですね。そこにはとても細かで繊細な物語があると思いますよ。

日本庭園

 

石組とは違い、庭の路面に平らな石を並べて進行方向を示したものを「飛石(とびいし)」といいます。

飛石には平らな自然石を用いることが多いようです。

子供の頃、タイルの上や、横断歩道をぴょんぴょんと飛び移って歩いたことがないでしょうか?庭の中を、飛び石に導かれ散策するとふと子供の頃のそんなワクワク感を思い出します。

日本庭園

飛び石

 

また飛び石とは違い、びっしりと敷き詰めた石張りの通路を「延段」といいます。

これもまた美しく、日本庭園の魅力のひとつですね。

日本庭園の構成要素:植栽

日本庭園は、パッと見たときに緑一色二感じることはないでしょうか。

これは常緑樹を使っているためです。常緑樹が、永遠を象徴することや、静けさの感覚をよびおこさせるために使われたともいわれているんですよ。

日本庭園また、植栽には境界を示すための囲いがあります。垣(かき)とよび、生垣(いけがき)は樹木や竹などを生きたままに植え込んで形を保つものです。ほかに、竹垣も茶庭などでよく目にしますね。

日本庭園

 

江戸時代(1603年〜1868年頃)になり、各藩の大名が、城下町や下屋敷(別荘)に作らせた日本庭園は、「大名庭園という形に発展していきました。各藩の大名が江戸や地元で競い合って作った結果、造園技術が発達したともいわれています。 

 

日本庭園についていくつかの視点から簡単にみてきましたが、庭園の魅力は奥深くここではほんのさわりしかお伝えできません。

「何をどうみたらいいかわからない」というときに、庭園を眺め楽しむためのなにかしらのヒントになれば嬉しいです。

スポンサーリンク